思うより進んでいない?
通販事業へのAI導入(2025.7)
「通信販売事業関与者の実態調査2025」から読み解く通販/EC事業者のトレンド
通販事業周辺へのAI導入「その後」を調べてみました!
エルテックスでは、通販とECシステムを統合したソリューション「エルテックスDC」の開発及び販売、導入を行っています。
ここで言う通販とは、テレビやラジオCM、新聞や雑誌広告、チラシ、DMなどの紙媒体上での通信販売を指していて、注文を受け付けるコールセンターや受注センターで使うシステムもエルテックスDC内で提供しています。
ですので、ECを含む通信販売事業に関連したシステムはこれひとつでまかなえるわけです。こうした通販事業へのAI導入はエルテックスにとっても重要な課題になっており、2023にはAIを搭載した「商品情報管理システム~HANABI Data」をサービスリリースしています。
そうした背景もあり「ChatGPT」が市民権を得はじめた2023年に「通販事業者のAI導入事情」と銘打った調査を実施しています。
本コラムでは、2023年の調査も参考にしながら、AI導入「その後」を考察してみたいと思います。
AI導入済みは12.7%で2023年導入から+4.0ポイントにとどまる
ビジネスニュースやSNSでAIがあれやこれや話題となっていますので、2023年調査の倍、いやそれ以上になっているかと思われた導入状況ですが、2023年比で4.0ポイントの増加にとどまりました。
2025年調査で「AI導入が決まっている」と回答した数値を加えた合計でも32.7ポイントで、2023年と同スコア。一方、AIを導入を検討・情報収集中は45.3%となり、2023年比で8.3ポイント伸長しました。
質問項目)
通販事業全般(EC:エレクトロニック・コマースを含む)で、あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」について、もっともあてはまるものをひとつだけお選びください。(単一回答)
調査資料は以下ボタンからPDF形式でダウンロードできます。
クロス集計を収録した詳細資料もご用意しています。ご希望の方はダウンロードした資料内に記載の方法でご請求ください。
AIへの興味関心は温まっているが「これ!」といったツールが不足している?
2025年では「興味があるが何もしていない(16.7ポイント)」「関心がない・導入予定もない(3.0ポイント)」の合計は19.7ポイント、2023では27.0ポイントだったことを考えると、興味関心は確実に高まっていると言えるでしょう。
一方、私もうすうすは感じているのですが、通販事業に関連したサービスでAIを売りにしたものは今のところあまりなく、個人的な感覚でいえばシステム周辺の開発、さらに言うとプログラミングのような人海戦術で対応していた業務、いわゆる「システム開発のバックヤード作業がAIに置き換わっている」のが現状のような気がしています。
AIに対する過度な期待がおちついている!?
通販事業周辺でのAI施策について「効果がありそう・興味がある」といった視点で、項目を複数選択してもらったところ、提示したすべての項目で2023年比のスコアが低下しました。
特に低下が顕著だったのは「コールセンターでの業務サポート」で2023年比11.2ポイント減となりました。
2年前に比べて、様々なAI関連サービスが誕生していますので、憶測で期待していたAIのパフォーマンスに対して、ある意味現実的に「業務によってはAIが不得手なものもありそう!?過大な期待は禁物」といった見方をしているのが2025年の状況、と言えるかもしれません。
質問項目)
あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください。(複数回答、AIに関心がない・導入予定もないの回答者は除外)
調査資料は以下ボタンからPDF形式でダウンロードできます。
クロス集計を収録した詳細資料もご用意しています。ご希望の方はダウンロードした資料内に記載の方法でご請求ください。
対人サービスにはやはり熟練したオペレーターのスキルや対応力が主流
通販(EC)に限らず、オンライン上で人的中心の対応だった業務がシステムに置き換わっているのは否定できない流れです。
先日も海外へ行くために、クレジットカードと海外SIM利用に関する確認を、カード会社サイトと携帯キャリアサイトで行いましたが、問い合せの入り口は2社ともAI搭載のチャットボット。目的は達成できたものの、途中で「イラッ」とすることも何度かあり、AI導入以前のチャットボットに比べると精度は上がった気はしましたが、不満を覚えたのは確かです。
クレジットカードや携帯電話は、少しイラッとしたとて、ある意味生活に欠かせないインフラのようなものですから「腹が立ったから携帯電話会社を変えてしまおう」、といったブランドスイッチはそうは簡単には起こらないと思います。
が、同様の商品を他店でも取り扱っている通販やECではこのイラッが致命的になる可能性もあり、ブランドスイッチも簡単に起きうるでしょう。
となると、対人サービスの真骨頂のようなコールセンターでの対応は、熟練のオペレーターが当面主流であり、おいそれとAIに置き換わるようなことは難しいと言えるでは?
質問項目)
あなたご自身やあなたの会社で「AI(人工知能)」に関して、導入の有無にかかわらず、通販やECビジネスで、効果がありそうなもの、興味のあるものをいくつでもお選びください。そのなかで一番だと思うものをひとつだけお選びください。(単一回答)
調査資料は以下ボタンからPDF形式でダウンロードできます。
クロス集計を収録した詳細資料もご用意しています。ご希望の方はダウンロードした資料内に記載の方法でご請求ください。
AIとECは相性が良い
「効果がありそう・興味がある」項目をひとつだけ選んでもらったところEC関連の項目がトップ3となりました。膨大な情報から、「これ!と思われる内容をピックアップして、わかりやすく提示する」ようなことは、AIの得意項目でもあるので、この結果は納得です。ECストアでのリコメンドエンジン、のスコアが9.1ポイント増となったのも、こうした認識が広がってきたことの証左なのでしょう。
意外と期待値が低いクリエイティブ系サービス
私は実務としてECサイトのリニューアルデザインなども手掛けていますので、単一回答で、集客施策の企画・構成・コンテンツ・LPの作成、メルマガの自動生成、のスコアが低かったのに少々違和感を覚えました。動画や画像生成のAIでは、政治的プロバガンダに使われるなどですし、教育関連ではAIを使った論文・レポートの是非が議論されるなどレベルは非常に高いと認識しています。
こうした領域の通販向けのサービスが少ないのか、精度が高まっていないのか、理由は様々なのでしょうが、マーケティングやクリエイティブに長年携わってきたものとしては複雑な心境です。
調査概要
| 調査エリア | 全国 |
|---|---|
| 調査対象者 | 楽天インサイト保有の調査パネル(ビジネスパネル) 年商規模1億円以上(1~10億円未満:75、10~50億円未満:172、50億円以上:53)の通販事業に携わる1~3の職種の、会社役員、社員、派遣社員、個人事業主 1.マーケティング・広告・宣伝 2.業務(受注、決済、配送、その他の業務) 3.情報システム |
| 調査方法 | ネット方式による、アンケート調査 |
| 調査期間 | 2025年6月30日~7月2日 |
| 回収サンプル数 | 300( 調査対象者 1.マーケ:100 2. 業務 :100 3. 情シス :100 ) |
| 調査主体 | 株式会社エルテックス https://www.eltex.co.jp/ |
| 調査実施機関 | 楽天インサイト株式会社 |
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株式会社エルテックス
広報・プロモーション 六角(ろっかく)
koho@eltex.co.jp
