コロナ渦の通販、健康食品・サプリメント・薬が増加

「通信販売・消費者調査2020」から読み解く通販/EC消費者トレンド
緊急事態宣言発出の中での通販購入トレンド
緊急事態宣言は2020年3月に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく措置。全国的かつ急速なまん延により、国民生活や経済に甚大な影響を及ぼすおそれがある場合などに、総理大臣が宣言を行い、緊急的な措置を取る期間や区域を指定するとしており、人流が多くなりそうな時期に度々発出されました。
コロナ渦でかつてない生活様式を強いられた生活者の消費行動がどうなっていたのか、通販での購入という部分に焦点をあてて調査を行いました。
購入商品ジャンルで大きな変動は無いが、化粧品、ファッションは約5%ダウン
調査は2020年11月末ごろに実施しましたが、複数回答・単一回答共に、通販で購入する商品では、ここ数年のトレンドがある程度反映される結果となり、「家具・キッチン用品」が▲10.8ポイントと大きく低下したものの、その他の商品では極端に大きな変動はありませんでした。
他社調査で、外出できない消費者の、巣ごもり状態での通販やECの売上が拡大しているとの報告や、お取り寄せ食材などに人気が高まっているとのマスコミ報道もありますが、通販では全般的な商品で購買が底上げされているのかもしれません。
とはいえ、化粧品は前年比▲5.3%、ファッションは前年比で▲4.9%とダウンしていて、外出の機会がない世情を反映している様子がうかがえます。上昇したのは、日用品(+3.0%)と健康食品・サプリメント(+2.3%)で、最寄りのスーパーでの買い物がしにくい、健康のために食品などに気を使うといった傾向が見えています。


外出の機会がないのに「ファッション・腕時計」の購入が増加?
質問を2020.4.7の非常事態宣下以降、コロナ禍において購入が増えたものにフォーカスしたところ、トップとなったのは「健康食品・サプリメント・薬」とある意味想定内の結果となりました。
意外だったのが「ファッション・腕時計」が増加した回答の2番目になったことです。外出の機会がないが、外出してショッピングができないため、通販で購入してしまったのでしょうか。また、同率の2位は「食料・飲料・お酒」。これは、外食ができないけれど、美味しいものが食べたい、飲みたい、といったことがスコアを高くしたと考えられます。
その他「本・電子書籍・CD/DVD/Blue-ray」「化粧品」「日用品」といった商品も僅差のスコアで並んでいて、スコアの高低の差はあるものの全ジャンルで増えたとの回答があり、他社調査報道の「巣ごもり需要増加」がこの調査項目でも裏付けることができそうです。

関心度では「食料・飲料・お酒」がイチバン
さらに商品(ジャンル)のについての関心度を質問したところ「食料品・飲料・お酒」がトップ、「本・電子書籍・CD・DVD・Blue-ray」「健康食品・サプリメント・薬」の順番となり、実際の購入実績について聞いた前問と異なった結果となりました。
また、「ファッション」「化粧品」に関しては関心もある程度高まった一方、関心が低くなったスコアも高く、このジャンルでは特に「関心が、高くなったvs低くなった」という2極化が顕著でした。コロナ禍での外出制限や、テレワークの推奨などが、消費者心理へ影響を及ぼしたと言えるでしょう。化粧品では、「関心がややなくなった」と「ほとんどなくなった」の合算が20.5ポイントで、関心度低下ではトップとなりました。

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フルバージョンでは、設問によって「年商別」または「職種(マーケ、オペレーション、情シス)別」のクロス集計なども掲載しています。
調査概要
調査エリア | 全国 |
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調査対象者 | infoQ by GMO調査パネルを利用 |
調査方法 | ネット方式による、アンケート調査 |
調査期間 | 2020年11月27日~12月1日 |
回収サンプル数 | 600 |
調査主体 | 株式会社エルテックス https://www.eltex.co.jp/ |
調査実施機関 | 楽天リサーチ株式会社 |
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